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「高送り」×「高切込み」。MFHはミーリング加工のさらなる高みへ

高送りカッタMFHシリーズの新製品として、今春発売の高切込み対応 高送りエンドミル「MFH Boost」。
お客様の生産性向上に貢献したいという思いから、「高送り」×「高切込み」という新たな領域にチャレンジし、ミーリング加工の更なる高みに挑戦した本製品の狙いと魅力を紹介します。
高切込み対応 高送りエンドミル「MFH Boost」の開発者が紹介します!

【開発背景】なぜ、「高送り」×「高切込み」なのか

近年の「働き方改革」のニーズは、切削加工の現場にも押し寄せ、これまで以上に加工時間の短縮、高能率化が求められるようになっています。
従来の高送り工具は、等高線加工時の削り残しを少なくするため、低切込みで加工をするのが一般的ですが、当社ではこの一般的な構成とは視点を変え、「高送り」×「高切込み」という新たなコンセプト・価値に着目しました。これにより自動車部品や航空機/エネルギー産業部品、金型など多様なワークの荒加工で大幅な能率向上を実現するべく、MFH Boostの開発をスタートさせました。

【製品の特長】04サイズで最大縦切込み2.5mmを実現

MFH Boostの最大の特長は、04サイズと比較的小型なチップサイズにも関わらず、最大縦切込み量2.5mmまで対応している点です。従来高送り工具(04サイズ相当)の最大縦切込み量が1mm程度であるのに対し、MFH Boostは2倍以上※1の2.5mmを実現しており、小径の高送り工具でありながら、高切込み加工に対応しています。これにより、小径においても高能率加工を可能にし、生産性向上に大きく貢献します。
※1.2020年10月京セラ調べ。

【開発のポイント】MFHシリーズのDNAを継承した独自の切れ刃

「高送り」×「高切込み」を可能にしたポイントの一つが、MFHシリーズのDNAを継承した切れ刃です。MFHシリーズで採用し、特許を取得している3次元凸型切れ刃の効果によって、ワーク食付き時の切削抵抗を低減し、スムーズな食付きを実現できた点が高切込みを実現した大きなポイントです。
お客様の評価においても加工能率3倍以上に大きく改善した事例もあり、ご好評いただいています。
(ユーザー様評価による)
また、外周刃にもこだわりました。外周刃にワイパー刃を設けることで多段加工やヘリカル穴あけ時の壁面段差を小さくし、仕上げ加工時の取り代の均一化を図ることで仕上げ加工工具への負荷軽減にも配慮しています。

【開発で苦労した点】相反する条件、トレードオフを打破できるか

切込み量をアップしようとすると、チップサイズが大きくなりがちですが、それではエンドミルの刃数を確保するが難しくなってしまいます。よって、チップサイズは従来品よりも小型化もしくは現状維持を前提に、切込み量のアップを図らないといけません。
この"最大縦切込み量は大きく、一方でチップは小さく"という相反する、トレードオフの関係を打破することが最大の課題でした。また、チップサイズは最小加工径にも影響するため、ホルダ強度とのバランスも考慮しなければならず、生産技術などさまざまな部門とともに開発を進め、チップだけでなく、ホルダのポケット形状など、一つひとつの課題をクリアしていきました。

最後に、お客様にメッセージ

最大縦切込み2.5mmという高能率加工の真価は、金型加工はもちろん、自動車部品や航空機/エネルギー産業部品など幅広い用途でその価値を感じていただけるものと思います。従来の高送り工具の概念に捉われずに、多様なワークの荒加工で本製品をお試しください。
お客様の生産性向上に貢献したいという思いから開発した自信の新製品です。「高切込み」×「高送り」の両立がもたらす、新たな価値をぜひご体感ください!