タンジェンシャルエンドミルがもたらすメリット

タンジェンシャル(縦置き)エンドミルは、チップ縦置き構造により様々なメリットをもたらします。

タンジェンシャルエンドミルは、切削抵抗方向のチップ厚みが大きいため、チップが突発欠損した際のホルダ破損を抑制します。従来エンドミルに比べて芯厚を大きく確保することができ、剛性に優れます。さらに、操作性にも優れ、チップ交換が容易です。

京セラの新しい縦置きエンドミル MA90は、これらのメリットで加工課題を解決する独自タンジェンシャルエンドミルです。高剛性ホルダでたわみにくく、優れた仕上げ面精度を実現。高い信頼性が、大きな安心感をもたらします。

新材種 PR18シリーズ誕生。大幅な長寿命化を実現

MA90のチップには、新材種 PR18シリーズをラインナップ。京セラが誇るナノテクノロジー「MEGACOAT NANO EX」で大幅な長寿命化を実現します。

耐摩耗性に優れたAlCr系コーティングと、耐熱性に優れたAlTi系コーティングで高い耐摩耗性を実現。さらに、それぞれのコーティングを交互に多層積層化させることで、靭性をさらに向上。クラック進展の抑制と内部応力の適正化により、耐チッピング性を向上します。

「MEGACOAT NANO EX」は、特殊ナノ積層 × 多層積層の「ダブル積層技術」で耐摩耗性と耐欠損性を両立します。

高品質と長寿命を実現する独自チップ形状

外周研磨仕様で優れた壁面精度を実現

MA90は、外周研磨仕様のチップを採用。一般的な縦置きエンドミルに比べて壁面段差や壁面倒れが小さく、高品質を実現します。また、高剛性ホルダにより、立壁の直角度にも優れています。

壁面精度比較 (当社比較)

切削条件 : Vc = 150 m/min, ap × ae = 3 × 5 mm 4パス, fz = 0.1 mm/t, Dry S50C ø20 (3枚刃) BT50

特殊さらい刃形状で、美しい仕上げ面が持続

MA90は、さらい刃の逃げ角を大きく確保。優れた仕上げ面を実現するとともに、さらい刃の摩耗進行を抑制します。

切削条件 : Vc = 200 m/min, ap × ae = 1 × 37.5 mm, fz = 0.1/0.12 mm/t, Dry S50C ø50 (6/7枚刃) BT50

他社品（縦置き仕様）ではさらい刃の摩耗進行により仕上げ面が悪化するケースでも、MA90では高品位な仕上げ面が持続。長寿命・高速加工を実現します。

刃先状態と仕上げ面 (当社比較)

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高送り×高切込みの条件下では当然、切削抵抗が大きくなるため、びびりや欠損のリスクが高くなる。そのため、従来高送り工具は、各サイズともに等高線加工時の削り残しに配慮しつつも高い加工能率を発揮できるバランスを求めた結果、最大縦切込み量が低めに設定されており、各社同様の設定となっている。